腸内細菌を増やす方法

ここでは腸内細菌を増やす方法について述べています。

 

腸内細菌を増やす方法としては、プレバイオティクスやプロバイオティクスを活用することが挙げられます。

 

「プロバイオティクス」とは体に良い影響を与える有用菌が含まれた食品のことであり、「プレバイオティクス」は食物繊維やオリゴ糖など、腸内細菌のエサが含まれている食品のことを指します。

 

生きた乳酸菌が含まれたサプリメントなどの「プロバイオティクス」を摂れば、一定期間、腸内細菌を増やすことが出来ますが、しかし外部から取りこんだ有用菌が、自分自身の腸内フローラに定着する可能性は低く、いずれ体外に排出されてしまいます。

 

しかし腸内にいる間は、3~7日は乳酸や酢酸をせっせと作ってくれるため、腸内環境を正常な酸性に保ってくれます。

 

また、乳酸菌が胃酸によって死菌となってしまった場合でも、乳酸菌などの善玉菌が作った溶液は、腸に届けば善玉菌のエサになり、腸内環境を整えるのに役立ってくれます。

 

腸内細菌を増やす「プレバイオティクス」

 

一方、腸内細菌のエサとなる「難消化性の食品成分」が含まれた食品であるプレバイオティクスを体内に摂り入れることは、善玉菌を増やしたり、腸内細菌の多様性を増したりすることにつながっていきます。

 

ちなみに「難消化性の食品成分」とは、食物繊維オリゴ糖など、主に小腸では十分消化されない性質をもつ糖質のことで、小腸で吸収されずに大腸内において腸内細菌のエサになるもののことを指します。

 

腸内細菌を増やす方法としてオススメなのは、食物繊維やオリゴ糖がたっぷりと含まれた野菜や果物、海藻類などが中心の食生活を送ることです。また、腸内細菌のエサになる「プレバイオティクス」と、有用菌が含まれている「プロバイオティクス」を一緒に摂ることも、腸内細菌を増やすために有効です。

 

 マイクロバイオータの多様性を高めるには、食物繊維の摂取を増やすのが欠かせない。腸内の微生物は、おもに食物繊維をふくむ複合炭水化物を食べる。デンプン質の多い食品や炭酸飲料に入っている、嫌われても仕方ない単純炭水化物はヒトの小腸で吸収されてしまい、大腸に暮らす微生物に届くことはまずない。複合炭水化物はこの単純炭水化物とは大きく異なる。いずれにしても、「食物繊維」という不正確な用語より、「マイクロバイオータが食べる炭水化物」を意味するmicrobiota accessible carbohydrates(MAC)を使うほうが好ましい。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p141

 

 

 食物繊維に含まれるこの炭水化物なら腸内の細菌の食べ物になる。マックをたくさん食べれば、マイクロバイオータに栄養を届け、腸内細菌の生存を助け、この細菌集団の多様性を改善できる。そのためには、工業化された現代社会の食物繊維に乏しい食事習慣から大きく転換しなければならない。わが家では、冗談で「ビッグマック・ダイエット」と呼ぶ食事を実践している。この食事は、果物、野菜、豆類、未精製の全粒穀物の複合炭水化物が豊富で、腸内マイクロバイオータを多様化し、その状態を維持するようにデザインされている。ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p141

腸内細菌を増やす方法はプレバイオティクスを腸に送り込むこと
腸内細菌を増やすために有効な方法はプレバイオティクスを腸に送り込むこと。

断食(ファスティング)は腸内細菌の多様性を高める

また、一定期間、断食(ファスティング)を行うことは、腸内細菌の多様性を高めることにつながるそうです。

 

このことに関して、『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(熊谷玲美訳 白揚社)の著者であるティム・スペクター氏は、以下のように述べています。

 

 主要な腸内細菌のなかで、とくにアッカーマンシア属の細菌は断食が大好きだ。この細菌は、腸壁を食べて、腸をきれいにする。さらに不思議なことに、ほかの細菌の多様性を高める働きもするのだ。とはいえ、あまりにも長時間食べずにいると、腸内細菌が腸壁にダメージを与えて、問題を引き起こすこともある。アメリカン・ガット・プロジェクトと、ブリティッシュ・ガット・プロジェクトのために私たちが実施した予備研究では、細菌に最も有益な変化が見られたのは断食をおこなったグループであり、腸内細菌の多様性が大幅に向上していた。

 

ティム・スペクター『ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』 熊谷玲美訳 白揚社 p223~224

 

つまり、ティム・スペクター氏によれば、断食によってアッカーマンシア属の細菌が「腸壁を食べて、腸をきれい」にしたり、「ほかの細菌の多様性を高める働き」をしたりするというのです。

 

しかし、断食を長期間続けてしまうと、「腸内細菌が腸壁にダメージを与えて、問題を引き起こすこともある」といいますから、何日間も何も食べない生活、つまり腸内細菌にエサを与えない生活を送ることは、逆に腸内細菌叢(腸内フローラ)に悪影響を与えてしまいそうです。

 

このように腸内細菌を増やすには、普段の食生活において、食物繊維やオリゴ糖などが多く含まれるプレバイオティクス食品やプロバイオティクス食品をたっぷり摂り、時々、十八時間程度、食事の間隔を空ける断食を行ってみることが、効果的だと考えられます。

 

腸内細菌の多様な集まりである「腸内フローラ」の改善方法については、こちらのページをご覧ください。